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よっちゃんの ここだけのはなし Vol.55

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年10月1日更新

Vol.55 「たかが大根、されど大根」

元気になって帰ってきた大ちゃん 市民の方からの通報で、ど根性大根が発見されてから8ヶ月余りが過ぎた。6月8日、ど根性大根「大ちゃん」は宝塚市内の研究所で元気を取り戻し、ふるさとへ里帰りすることができた。アスファルトを突き破って生え出てきた大ちゃんは、ややもするとガッツが足りない現代人に、大きな感動と勇気、希望を与え、同時に「命の大切さ」を教えてくれた。
 珍現象だったこともあり、ど根性大根は発見以来、マスコミに頻繁に取り上げられた。この相生市がこれほどニュースの発信源になったのは、初めてのような気がする。大ちゃんは全国の人々の人気者にもなった。
 そして、大ちゃんには大きな発展性があった。「がんばれ大ちゃん」の絵本をはじめ、クッキーやサブレ、まんじゅう、パンなど、大ちゃん関連の商品が次々に販売され、売れ行きも好調だ。こうした商品開発や販売、さらに取材や観光のための来訪者の増加により、大ちゃんによる宣伝・経済効果は予想を越えるものとなった。
 しばらく、この相生市には地域活性化の突破口になる話題も、多くはなかった。これだけの宣伝・経済効果だと、大ちゃんはこの相生に感動と勇気だけでじゃなく、大きな恵みと活力ももたらしてくれたといえる。
 四半世紀も前のことになるが、当時の平松大分県知事は「一村一品運動」を提唱した。この運動の基本的な考えは、不利な条件を憂いて嘆くのではなくて、自分たちの地域をもう一度見直し、誇りとなるものをつくり上げて、地域を活性化させようというものだ。この提唱に対し、当初、冷ややかな意見もあったと聞く。でも、観光を「一品」として、その振興で大成功した旧湯布院町、梅と栗の栽培・加工で一躍有名になった旧大山町の例をあげるまでもなく、この運動がまちの発想を転換し、地域づくりに大きな軌跡を残したことは、歴史が証明している。
 また、徳島県の上勝町は、人口わずか2千人で、約半数がお年寄りの小さな町だ。普通であれば、活力を失い、間違いなく過疎化していっている地域だろう。しかし、「知恵を出し合いまちづくり」を合言葉に、町を挙げた地域づくりが大成功を収めてきた。
 何が活力の源になっているのかというと、ゆこう、柚、すだち、さらに菌床椎茸、彩(葉っぱ)などの特産物の商品化だ。これらが、それこそ大ブレイクして、町は活気に満ち溢れていると聞く。特産物の販売をはじめとする「まちおこし」が功を奏し、全国ふるさとづくり賞で内閣総理大臣賞を受賞したこともある。地域づくりの参考にしようと訪れる人は、後を絶たない。
 大ちゃんは、まさに天が与えてくれた恵みだ。地域再生の切り札に使わなければ、それこそ他の地域から「もったいない」といわれるだろう。大ちゃんは、「たかが大根」じゃなく、「されど大根」だ。地域の活力を底上げしてくれる可能性を秘めている。ぼくは、ど根性大根による「まちおこし」と「命の大切さ」を全国の多くの人々に発信できればと願っている。市民の皆さんのご理解とご協力をお願い申し上げます。
 ここだけのはなし 

2006年6月13日 相生市長 谷口 芳紀