○相生市民の住みよい環境をまもる条例

昭和49年9月24日

条例第29号

目次

第1章 総則

第1節 通則(第1条―第3条)

第2節 市長の責務及び基本的施策(第4条―第13条)

第3節 事業者の責務(第14条―第16条)

第4節 市民の責務(第17条・第18条)

第2章 生活環境の保全

第1節 工場等(第19条―第27条)

第2節 家畜飼養施設(第28条―第31条)

第3節 自動車公害の防止(第32条・第33条)

第4節 空地の管理(第34条・第35条)

第5節 静穏の保持等(第36条―第41条)

第6節 愛がん動物の飼育(第42条―第44条)

第7節 消費生活の保護(第45条―第49条)

第3章 自然環境の保全

第1節 開発行為(第50条・第51条)

第2節 緑化推進(第52条―第54条)

第4章 文化環境の保全

第1節 文化環境の育成(第55条・第56条)

第2節 文化環境保存区域(第57条―第62条)

第5章 補則(第63条―第68条)

第6章 罰則(第69条―第72条)

附則

第1章 総則

第1節 通則

(目的)

第1条 この条例は、現在及び将来に亘つて相生市民が健康で文化的な生活を営むために、良好な環境の確保に関する市長、事業者及び市民それぞれの責務を明らかにし、市民の安全、かつ、快適な環境をまもるための施策の基本となる事項その他必要な事項を定めることにより、その施策の総合的推進を図り、もつて市民の良好な環境を確保することを目的とする。

(良好な環境確保の基本理念)

第2条 良好な環境の確保は、次の基本理念に従い推進されなければならない。

(1) 自然の摂理のもとに自然と人間との健全な調和を図りつつ、市民の健康で快適な生活を確保すること。

(2) すべての市民が有する健康で文化的な生活を営む権利による適正な制限のもとに、人間環境を構成する土地その他の財産、大気、水、その他のものの合理的利用を図ること。

(3) 良好な環境は、その重要性の意義とともに現在の市民から将来の市民へ継承されるよう図ること。

(4) すべての市民が有する健康で文化的な生活を営む権利の保障は、市長、事業者及び市民すべてがそれぞれの責務を自覚し、あらゆる力をつくしてその実現を図ること。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 良好な環境 市民が健康な心身を保持し、安全、かつ、快適な生活を営むことができる人間環境をいう。この場合において人間環境とは、生活環境、自然環境及び文化環境をいう。

(2) 生活環境 人の生活に関する環境をいい、人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含むものとする。

(3) 自然環境 自然の生態系をめぐる土地、大気、水及び動植物をいう。

(4) 文化環境 郷土の歴史上意義を有する建造物、遺跡等が周囲の自然的環境と一体となつて郷土における歴史と文化を具現し、及び形成している土地の状況(以下「歴史的環境」という。)及び文化的遺産並びに文化に関する施設その他人間性豊かな文化を創造し、及び発展させていくための基礎となる環境をいう。

(5) 公害 事業活動その他の人の活動に伴つて生ずる良好な環境の侵害であつて、大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によつて人の健康又は快適な生活が阻害されることをいう。

(6) 工場等 事業活動を行う場所のうち工場、事業所及び作業場をいう。

第2節 市長の責務及び基本的施策

(市長の基本的責務)

第4条 市長は、市民の健康で安全、かつ、快適な生活を確保するため、良好な環境の確保と公害の防止に関する基本的、かつ、総合的な施策を策定し、これを実施しなければならない。

(基本的施策の樹立)

第5条 市長は、良好な環境を確保するため、次の基本的施策を樹立しなければならない。

(1) 市民の健康で、文化的な生活を確保するための公害の防止及び市民の快適な生活を阻害する要素の排除に必要な施策を樹立し、生活環境の保全に努めること。

(2) 自然環境の保全に関する基本的な計画を策定するとともに、緑化の推進、環境保護地区の指定、その他自然環境の保全に必要な施策を樹立すること。

(3) 郷土における歴史的文化的遺産等を保護するとともに、文化環境を保全するために必要な施策を樹立すること。

(環境施設の整備)

第6条 市長は、良好な環境を確保するため、公園、緑地、公共広場、道路等の交通施設、上水道等の供給施設、下水道、廃棄物等の処理施設、その他環境施設の整備に努めなければならない。

(中小企業に対する助成)

第7条 市長は、中小企業者が公害防止のために行う施設の設置、整備等について必要な資金の助成及び技術指導等を行うよう努めなければならない。

(工場等の移転集団化の促進)

第8条 市長は、公害の防止を図るため、工場又は事業所と住宅その他の施設が混在する地域で必要と認めるものについて、その地域以外への移転又は集団化を計画するとともに、用途地域の純化を図るよう努めなければならない。

(開発行為)

第9条 市長は、土地の区画、形質の変更等を伴う開発又は整備を目的とする行為が、自然環境及び文化環境と調和を保つて行われるよう必要な措置を講じなければならない。

(規制基準)

第10条 市長は、市民の健康で安全かつ快適な生活を確保し、及びこれを維持するために必要な規制基準を定めなければならない。

2 市長は、規制基準を定めるにあたつては、相生市環境保全審議会の意見を聞かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも同様とする。

(調査・研究等)

第11条 市長は、環境保全対策に資するため、公害の発生源、発生原因、発生状況並びにその他の環境状況について、常時調査するとともに、必要な研究を行わなければならない。

(苦情の処理)

第12条 市長は、公害並びにその他良好な環境の侵害に関する住民の苦情について、関係行政機関と協力して迅速かつ適正に処理するよう努めなければならない。

(知識の普及等)

第13条 市長は、良好な環境確保に関する市民の意識を高めるため、知識の普及に努めなければならない。

第3節 事業者の責務

(公害防止の基本的責務)

第14条 事業者は、その事業活動に伴つて生ずる公害を発生させてはならない。

2 事業者は、その事業活動により発生させるばい煙、粉じん、汚水、騒音、振動及び悪臭(以下「ばい煙等」という。)等の量が法令等に適合する場合においても、快適な生活環境を確保するため、施設の整備等を行い、その量の減少に努めなければならない。

3 事業者は、その事業活動によつて生じた廃棄物を、自らの責任において適正に処理するとともに、二次的公害が発生しないよう努めなければならない。

(協力義務)

第15条 事業者は、市長その他の行政機関が実施する環境保全対策に関する施策に協力しなければならない。

(屋外作業の制限)

第16条 事業者は、屋外で生活環境に障害を及ぼすばい煙等を発生させる作業をしてはならない。ただし、やむを得ずこれらの作業をする場合は、あらかじめ市長に届出なければならない。

第4節 市民の責務

(基本的責務)

第17条 市民は、常に公害を発生させることのないよう努めるとともに、地域の良好な環境を確保するよう努めなければならない。

2 市民は、すすんで自然の動植物を愛護し、自然環境を保全するとともに、緑豊かな都市の実現に努めなければならない。

3 市民は、郷土の文化的遺産等を尊重し、人間性豊かな文化を創造するとともに、発展させうる環境を育てるよう努めなければならない。

(協力義務)

第18条 市民は、公害の発生状況及び良好な環境の侵害の状況について通報するとともに、市長その他の行政機関が実施する環境保全の施策に協力しなければならない。

第2章 生活環境の保全

第1節 工場等

(工場等の設置届出)

第19条 工場等を設置又は変更しようとする者は、規則に定めるところにより、着工する60日前に市長に届出なければならない。

(計画の改善指導)

第20条 市長は、前条の規定による届出があつた場合に、その届出の内容が周囲の環境に著しい支障をおよぼすおそれがあると認める場合は、当該届出をした者に対し、その届出に係る計画について改善の指導をすることができる。

(操業等の制限)

第21条 第19条の規定による届出を受理された者は、その届出に係る工場等の設置又は変更の工事等が完了したときは、遅滞なくその旨を市長に報告するとともに、確認を得た後でなければ工場等を操業し、又は当該工場等の変更部分を使用してはならない。

(廃止届)

第22条 第19条の規定による届出をした者が、その届出にかかる工場等の使用を廃止したときは、30日以内にその旨を市長に届出なければならない。

(承継届)

第23条 第19条の規定による届出をした者から、その届出にかかる工場等を譲り受け又は借り受けた者は、その届出事項を承継する。

2 第19条の規定による届出をした者について相続又は合併のあつたときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、当該届出をした者の届出事項を承継する。

3 前2項の規定により、承継があつたときは、すみやかにその旨を市長に届出なければならない。

(規制基準の遵守)

第24条 工場等を設置している者は、法令等で定める規制基準のほか第10条第1項の規定により定める規制基準を遵守しなければならない。

(事故時の措置)

第25条 工場等を設置している者は、事故により当該工場等から規制基準に違反するばい煙等を発生させ人の健康又は周囲の環境に著しく障害をおよぼしたときは、ただちにその事故について応急措置を講じるとともに、すみやかに復旧しなければならない。

2 前項の事故が発生したときは、すみやかにその事故の状況及び原因、応急措置の内容並びに復旧工事の計画を市長に届出なければならない。

3 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事故について、復旧措置が完了したときは、すみやかにその旨を市長に届出なければならない。

(勧告及び命令)

第26条 市長は、工場等が第24条及び第25条の規定に従わないとき又は人の健康若しくは周囲の環境に障害をおよぼすおそれがあると認めるときは、当該工場等を設置している者に対し、期限を定めて環境保全の上で必要な措置をとるべきことを勧告し、又は命ずることができる。

(公害防止主任者)

第27条 規則で定める工場等を設置する者は、当該工場等の公害の防止にあたらせるため、当該工場等ごとに、公害防止主任者を置かなければならない。

2 前項の規定により公害防止主任者を設置したときは、すみやかにその旨を市長に届出なければならない。又これを変更したときも、同様とする。

第2節 家畜飼養施設

(家畜の飼育等)

第28条 市域内において牛、馬、豚及び鶏等(以下「家畜」という。)を飼育しようとする者は、その飼育する日前30日までに規則に定めるところにより、市長に届出なければならない。ただし、飼育する家畜の数が規則で定める数以下の場合は、この限りでない。

(計画の指導)

第29条 市長は、前条の規定による届出をした者に対し、公害の防止の方法、その他環境の保全のための措置について指導することができる。

(廃止届及び承継届の準用)

第30条 第22条及び第23条の規定は、第28条の規定による届出を受理されたものについて準用する。

(勧告及び命令)

第31条 市長は、第29条の規定による指導に従わないために周辺の環境を著しく害していると認めるときは、当該設置者に対し、期限を定めて改善を勧告し、又は命ずることができる。

第3節 自動車公害の防止

(自動車公害等の防止)

第32条 市長は、自動車(原動機付自転車を含む。以下同じ。)による公害及び交通上の危険を防止するため、土地利用計画、道路構造、自動車交通量等に応じ、公害対策上及び交通安全対策上必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(自動車運行者等の責務)

第33条 自動車の運転者又は所有者は、その自動車の適正な運転及び必要な整備を行うことにより、当該自動車から排出し、又は発生する騒音及び排出ガスを最小限に抑制するよう努めなければならない。

2 自動車の運転者又は所有者は、自動車を運転するときは、積載物の転落又は飛散を防止するため、必要な被覆又は装備をしなければならない。

第4節 空地の管理

(章名改正〔平成22年3月26日・28年3月25日〕)

(空地の管理者の義務)

第34条 空地の所有者又は占有者(以下「空地の管理者」という。)は、その空地に繁茂した雑草、枯草又は投棄された廃棄物を除去し、及びその空地への廃棄物の不法投棄を防止する措置を講ずる等、その空地の近隣住民の生活環境を害しないよう空地を適正に管理しなければならない。

2 空地の管理者は、空地を物置場、駐車場として利用し、又は利用させている場合は、その置かれた物により当該空地の近隣住民の身体又は生活環境に危害をおよぼすおそれのないようその物又は空地を適正に管理しなければならない。

(一部改正〔平成22年3月26日・28年3月25日〕)

(勧告等)

第35条 市長は、空地の管理者が前条第1項の規定に違反して、近隣住民の生活環境を著しく害していると認めるとき又は前条第2項の規定に違反してその空地の近隣住民の身体に危険をおよぼすおそれがあると認めるときは、空地の管理者に対し雑草又は物等の除去、その他環境保全上及び身体の危険防止のために必要な措置をとるべきことを勧告し、又は命ずることができる。

(一部改正〔平成22年3月26日・28年3月25日〕)

第5節 静穏の保持等

(夜間の静穏の保持)

第36条 何人も、深夜においては、法令に違反しない場合であつても、みだりに近隣の静穏をそこなう行為をしてはならない。

2 バー、キャバレー、喫茶店、料理店、劇場及び映画館その他これらに類する営業を営む者は、深夜においては、当該営業を営む場所において、音響機器、人声等による騒音を発生させること等、近隣の静穏をそこなう行為をし、又はさせてはならない。

(燃焼行為の制限)

第37条 何人も、燃焼に伴い著しいばい煙又は悪臭を発生するおそれのある物質を多量に屋外で燃焼させ附近の環境を害する行為をしてはならない。ただし、燃焼炉その他適切な処理方法により燃焼させる場合は、この限りでない。

(公共場所等の清潔の保持等)

第38条 何人も、道路、公園、広場及び河川等公共の用に供する場所(以下「公共場所等」という。)をみだりに汚損してはならない。

(し尿浄化槽)

第39条 し尿浄化槽を設置しようとする者は、法令その他別に定めがある場合のほか、市長が定める建設基準を遵守しなければならない。

2 し尿浄化槽を設置している者は、当該浄化槽の正常な機能を維持するため法令その他に定める管理基準を遵守し、前項の設置基準に適合するよう努めなければならない。

3 市長は、前2項の規定に違反して近隣住民の生活環境を著しく害していると認めたときは、当該し尿浄化槽の設置者又は管理者に対し、必要な措置を講ずるよう勧告し、又は命ずることができる。

(工事施行者の義務)

第40条 土木、建築その他これらに類する工事を行なう者(これらの工事に関係のある者を含む。)は、その工事に際し、土砂、廃材、資材等が公共場所等に飛散し、脱落し、流出し、堆積して、良好な環境を阻害しないようこれらの物を適正に管理しなければならない。

(勧告及び命令)

第41条 市長は、第36条から前条までの規定に違反して当該公共場所等の環境を著しく害していると認められるときは、その者に対しその違反を是正するために必要な措置をとるべきことを勧告し、又は命ずることができる。

第6節 愛がん動物の飼育

(愛がん動物の飼育者の義務等)

第42条 愛がん動物の飼育者は、その動物の種類、性質等に応じ、その動物が近隣住民の生命、身体又は生活環境を害さないよう管理飼育しなければならない。

(不用愛がん動物の取扱い)

第43条 前条に規定する者は、不用となつた愛がん動物を、自らの責任において適正に処理しなければならない。

(勧告)

第44条 市長は、第42条及び前条の規定に違反し、近隣住民の生命、身体若しくは、生活環境を著しく害し、又は害するおそれのあると認める場合は、その者に対し必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

第7節 消費生活の保護

(危害をおよぼす商品等の提供の禁止)

第45条 事業者は、市民の消費生活において、市民の生命、身体又は生活環境に危害をおよぼし、又はおよぼすおそれのある商品及び役務を提供してはならない。

2 事業者は、市民の消費生活に提供される商品、及び役務について危害の防止、品質の向上等必要な措置を講じなければならない。

(表示)

第46条 事業者は、商品が誤つて選択され、使用され、保存されることにより、市民に危害がおよぶことのないよう、その商品の成分、性能、用途、貯蔵方法、製造年月日、その他必要な事項を適正に表示しなければならない。

(過大包装の禁止)

第47条 事業者は、商品について市民にその内容を誇張し、廃棄物の量を増大させる等、必要以上の過大包装をしてはならない。

(勧告等)

第48条 市長は、第45条第1項第46条の規定に違反し、市民の生命、身体又は生活環境に著しい危害をおよぼす、又はおよぼすおそれのある商品及び役務を提供した者に対し、関係行政機関の協力を求めて、製造加工等の方法の改善、その商品の回収、その他危害を防止するために必要な措置をとるべきことを指導し、又は勧告することができる。

(公表)

第49条 市長は、市民の生命、身体又は生活環境に著しく危害をおよぼす、又はおよぼすおそれがあると認める商品及び役務があるときは、その商品名等、製造者、加工者、販売者等の氏名又は名称その他必要な事項を公表することができる。

第3章 自然環境の保全

第1節 開発行為

(開発行為の届出)

第50条 土地の区画形質の変更(以下「開発行為」という。)をしようとする者は、自然を保全するため、あらかじめ、規則に定めるところによりその内容を市長に届出なければならない。

(助言及び勧告等)

第51条 市長は、自然環境の保全のため必要があると認めるときは、前条の規定による届出をした者に対して必要な助言、指導又は勧告をすることができる。

2 市長は、前条の規定による届出をしなかつた者又は前項の勧告に従わず開発行為を行つた者に対して、当該開発行為の停止、計画の変更及び原状回復等自然環境の保全に必要な措置をとるべきことを勧告し、又は命ずることができる。

第2節 緑化推進

(花木の育成)

第52条 市長は、美しい自然環境を保全するため、自然の草花、樹木等の保護育成に努めなければならない。

(公共施設の緑化)

第53条 市長は、緑地の確保に資するため、その管理する公共場所等の施設においても樹木、草花の植栽、育成に努めなければならない。

(土地所有者等の緑化義務)

第54条 土地の所有者又は占有者は、自然環境を破壊する行為を抑制するとともに、その土地に樹木等を植栽し、自ら緑化を図らなければならない。

2 市長は、前項に規定する者の緑化を援助するため必要に応じ苗木の補助又は供与、植栽についての技術的援助、その他必要な措置を講ずるものとする。

第4章 文化環境の保全

第1節 文化環境の育成

(文化環境の育成)

第55条 市長及び教育委員会は、文化環境の形成及び発展に資するため、文化に関する施設の設置及び運営、集会の開催その他必要な措置を講ずるものとする。

(文化的遣産等の活用等)

第56条 郷土における歴史的環境、文化的遺産等文化環境に係る財産の所有者、又は占有者は、その文化環境を公共のために大切に保護するとともに、その文化的活用に努めなければならない。

第2節 文化環境保存区域

(文化環境保存区域の指定)

第57条 教育委員会は、郷土における歴史的環境、文化的遣産等の文化環境を保存するため、必要な土地の区域を文化環境保存区域として指定することができる。

2 市長は、前項の保存区域を指定しようとするときは、審議会の意見を聞かなければならない。この場合において、市長は、あらかじめ当該地区の財産の所有者又は占有者の同意を得なければならない。

(標識の設置)

第58条 市長は、保存地域を指定したときは、当該地区内にその旨を表示した標識を設置しなければならない。

(文化環境保存区域内の行為の規制)

第59条 文化環境保存区域内において、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところによりあらかじめ教育委員会にその内容を届出なければならない。

(1) 建築物その他工作物の新築、改築又は増築

(2) 宅地の造成、土地の開懇その他土地の区画形質の変更

(3) 木竹の伐採及び土石類の採取

(4) 水面の埋立又は干拓

(5) 建物その他工作物の色彩の変更

(6) 屋外広告物の表示又は掲出

(7) 前各号に掲げるもののほか文化環境の保存に影響をおよぼすおそれのある行為

2 前項の規定は、次の各号に掲げる行為については適用しない。

(1) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で規則で定めるもの

(2) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為

(3) 文化環境保存区域が指定され、又はその区域が指定された際既に着手している行為

3 前項第2号又は第3号に掲げる行為をした者は、遅滞なく教育委員会にその旨を届出なければならない。

(指導及び勧告)

第60条 教育委員会は、前条第1項の規定による届出があつた場合において、当該届出に係る行為により文化環境がそこなわれるおそれがあると認めるときは、その届出に係る行為に関し、必要な事項を指示し、又はその行為の禁止、中止若しくは停止、計画の変更、その他文化環境を保護するため必要な措置をとるべきことを指導し、又は勧告することができる。

(調査報告書の提出等)

第61条 第59条第1項各号のいずれかに該当する行為が行われ、又は行われようとしている場合において文化環境を保護するため必要があると認めるときは、教育委員会は、当該行為に係る土地について、埋蔵文化財、その他の文化環境の保存に関する調査を自ら行い、又は同条同項の規定に基づき届出をした者、その他の関係者に対し、当該土地について、埋蔵文化財、その他の文化環境に関する調査の報告書の提出を求めることができる。

2 前項の規定により教育委員会が自ら調査を行うことを決定し、又は前項に規定する者に対し同項に規定する報告書の提出を求めたときは、当該届出をした者、その他の関係者は第58条に該当する当該行為を中止し、又は停止しなければならない。

(勧告及び命令)

第62条 教育委員会は、第59条第1項の現定による届出をしないで、同項各号のいずれかに該当する行為を行い、若しくは行おうとする者、第60条の規定による指導若しくは勧告に従わない者又は第61条第2項の規定に違反している者に対し、当該行為の禁止、中止若しくは停止、計画の変更、原状回復又はこれに代わるべき措置、その他必要な措置をとるべきことを指導し、勧告し、又は命ずることができる。

第5章 補則

(立入検査)

第63条 市長及び教育委員会は、この条例の施行に必要な限度において、関係職員に工場等、家畜飼養施設、文化環境保存区域、その他の場所に立入り、関係書類、機械設備、建築物その他の物件及び土地並びにその場所で行われている行為の状況を調査し、若しくは検査し、又は関係者に対し必要な指示又は指導を行わせることができる。

2 前項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のため認められたものと解してはならない。

3 第1項の規定により立入検査等を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提出しなければならない。

(広域公害の処理)

第64条 市長は、公害の発生原因、環境の汚染原因が他市町より生じたときは、当該事項の除去について関係市町に協力を求めるものとする。

(公害防止協定の締結)

第65条 市長は、安全、かつ、快適な生活環境を確保するために特にその必要を認めるときは、事業者に対して公害防止に関する協定の締結を求めることができる。

2 当該事業者は、市長の求めに応じて公害防止協定を締結し、当該協定の内容を遵守しなければならない。

(報告の徴収)

第66条 市長及び教育委員会は、この条例の施行に必要な限度において、良好な環境を害し、若しくは害するおそれのある者、文化環境保存区域内の土地若しくは物件の所有者又はこれらの者の関係者に対して必要な事項を報告させることができる。

(審議会)

第67条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づく審議会その他の合議制の機関として、相生市環境保全審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、市長の諮問に応じ、環境保全に関する基本的事項及び重要な事項を調査審議する。

3 審議会は、委員20名以内で組織し、学職経験者、市議会、関係行政機関の職員及び民間諸団体の代表者のうちから市長が委嘱する。

4 委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。

5 委員は再任されることができる。

6 審議会に関し必要な事項は、市長が定める。

(一部改正〔平成12年3月27日〕)

(委任)

第68条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第6章 罰則

第69条 第26条の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

第70条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。

(1) 第19条の規定に基づく届出を怠り、又は偽りの届出をした者

(2) 第25条第1項の規定に基づく措置を怠つた者

(3) 第31条第51条及び第62条の規定に基づく命令に違反した者

第71条 次の各号のいずれかに該当する者は、3万円以下の罰金に処する。

(1) 第28条及び第59条第1項の規定に基づく届出を怠り、又は偽りの届出をした者

(2) 第21条及び第44条の規定に違反した者

(3) 第35条及び第41条の規定に基づく命令に違反した者

(4) 第63条の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

(一部改正〔平成22年3月26日・28年3月25日〕)

第72条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から起算して6ヵ月をこえない範囲内において、市長が規則で定める日から施行する。

(公害防止条例の廃止)

2 相生市公害防止条例(昭和46年相生市条例第39号。以下「旧条例」という。)は、廃止する。

(経過規定)

3 旧条例の第7条第12条及び第13条の規定により届出た事項は、それぞれこの条例第16条第28条及び第27条の規定による届出をしたものとみなす。

4 この条例施行の際、第19条に規定する届出工場等をすでに設置し、又は設置の工事をしている者は、この条例施行の日から60日以内に同条に基づく届出をしなければならない。

(適用除外)

5 附則第3項の規定に基づいて届出をした者は、第26条の規定はこの条例の施行の日から1年間は適用しないものとする。

6 この条例に規定する工場等で、大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)、水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)、騒音規制法(昭和43年法律第98号)及び兵庫県公害防止条例(昭和44年兵庫県条例第53号)に規定する特定施設及び特定建設作業を有した工場等については、第19条の規定する届出規定は適用しない。

(平成12年3月27日抄)

1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。

(平成22年3月26日)

この条例は、平成22年4月1日から施行する。

(平成28年3月25日抄)

(施行日)

1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。

相生市民の住みよい環境をまもる条例

昭和49年9月24日 条例第29号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第9類 環境衛生/第2章
沿革情報
昭和49年9月24日 条例第29号
平成12年3月27日 種別なし
平成22年3月26日 条例第9号
平成28年3月25日 条例第21号