○相生市自治基本条例

平成24年6月28日

条例第19号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 基本理念(第4条)

第3章 基本原則(第5条―第7条)

第4章 自治の主体

第1節 市民等(第8条・第9条)

第2節 議会(第10条―第12条)

第3節 市長等(第13条・第14条)

第5章 参画と協働

第1節 参画(第15条―第19条)

第2節 協働(第20条)

第6章 情報共有(第21条―第24条)

第7章 市政運営の原則(第25条―第33条)

第8章 他団体等との連携(第34条)

第9章 条例の見直し(第35条)

附則

私たちが暮らす相生市は、瀬戸内海国立公園、西播磨丘陵県立自然公園を有する、海と山に囲まれた自然が豊かであるとともに、陸路、鉄路、海路が備わった西播磨の交通の要衝のまちです。

この恵まれた自然をいかし、古くから農業、漁業をいとなみ、近代に入ってからは、造船業を中心に発展してきました。

また、大正時代にはじまった「相生ペーロン」は、多くの市民の力により、現在では西播磨に初夏をつげる一大祭りとしてますます活気をおびています。

私たちは、先人たちが築き守り続けてきたまちの伝統文化と活気ある市民生活を継承し、より暮らしやすくするとともに、次世代に引き継ぐため、互いに力をあわせ誇りの持てる魅力ある「あいおい」のまちを築いていく責任があります。

一方、地域の自主性や自立性を高める地方分権が進展する中、基礎自治体において、地方自治をさらに発展させ、地域のことは地域の責任のもとに決定する社会を実現していくためには、市民等、議会及び市長等が互いに連携を深めながら、これまで以上に協働してまちづくりを進めていくことが求められます。

そのためには、一人ひとりの人権が尊重され、ともに責任を分かち合い、補完しながら、積極的にまちづくりに参加し、一体となって協働のまちづくりを推進しなければなりません。

このために、市政全般にわたる指針として、基本となる理念や原則を明らかにすることによって地方自治を推進し、ふるさとに愛着をもち、絆で結ばれた住みやすい地域社会の実現を目指すため、相生市の最高規範として、相生市自治基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、相生市における自治の基本理念を明らかにし、市民等の権利及び責務並びに議会及び市長等の役割及び責務を明確にするとともに、市政に関する基本的な事項を定めることにより、自治を推進し、市民福祉の向上を図ることを目的とする。

(条例の位置付け)

第2条 この条例は、市政運営における最高規範であり、市民等、議会及び市長等は、この条例を誠実に遵守するとともに、他の条例、規則等の制定、改廃及び運用に当たっては、この条例の趣旨を最大限に尊重し、この条例との整合性を図るものとする。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号の定めるところによる。

(1) 市民 本市の住民基本台帳に記録されている者をいう。

(2) 市民等 市民並びに市内で働く者、就学する者、活動する団体及び事業を営むものをいう。

(3) 市 基礎的な地方公共団体としての相生市をいう。

(4) 市長等 市長その他の執行機関(教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会)をいう。

(5) 参画 市の政策等の立案、実施及び評価に至る過程において、責任を持って主体的に加わり、意思形成に関わることをいう。

(6) 協働 市民等と市が、互いに尊重しながらそれぞれの果たすべき役割を自覚し、相互に補完し、及び協力し合うことをいう。

第2章 基本理念

(基本理念)

第4条 この条例の目的を達成するため、次に掲げる基本理念により、市民主体のまちづくりを推進する。

(1) 市民等及び市は、基本的人権を尊重する。

(2) 市は、市民等が市政に参画できるよう、その機会を保障する。

(3) 市民等及び市は、互いに協働してまちづくりに取り組む。

第3章 基本原則

(参画の原則)

第5条 市は、市民等の自主性を尊重し、市政運営に市民等の意見を反映することを原則とする。

2 市民等は、市政に積極的に参画することを原則とする。

(協働の原則)

第6条 市民等及び市は、適切な役割分担の下で連携し、互いの特性を尊重しながら協力し合うことを原則とする。

(情報共有の原則)

第7条 市民等及び市は、参画と協働のまちづくりを進めるため、市政に関する情報を互いに共有することを原則とする。

第4章 自治の主体

第1節 市民等

(市民等の権利)

第8条 市民等は、市政運営及び地域の活動に参画し、及び協働する権利を有する。

2 市民等は、市が保有する情報を知る権利を有する。

3 市民等は、市が提供するサービスを受けることができる。

4 市民等は、市政に参画しないことによって不利益な取扱いを受けない。

(市民等の役割)

第9条 市民等は、市政運営及び地域の活動への参画に当たっては、自らの発言及び行動に責任を持つものとする。

2 市民等は、前条の権利の行使に当たっては、市民福祉、次世代及び市の将来に配慮しなければならない。

第2節 議会

(議会の役割)

第10条 議会は、法令で定めるところにより、住民の直接選挙によって選出された議員で構成され、市民等の目線に立って、市民等の声を市政に反映する意思決定機関である。

2 議会は、市政に対する監視及び調査を的確に行い、市政の適正な執行を確保する。

(議会の責務)

第11条 議会は、自治の発展及び市民福祉の向上のために、公平かつ公正な判断及び長期的展望を持って意思決定に臨むものとする。

2 議会は、市民等に開かれた議会運営とするために、その保有する情報を積極的に公開し、市民等との情報共有に努めなければならない。

3 議会は、意思決定を行うに当たっては、十分な議論を尽くし、合意形成を図るものとする。

(議員の責務)

第12条 議員は、前2条に規定する議会の役割及び責務を認識し、市民の代表者として市民全体の利益のため、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。

2 議員は、自らの考えを市民等に明らかにするとともに、市民等の意向及び地域の課題を市政に反映させるよう努めなければならない。

第3節 市長等

(市長等の責務)

第13条 市長は、住民の直接選挙によって選ばれた市の代表者として、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。

2 市長は、毎年、市政運営に関する基本方針を明らかにしなければならない。

3 市長等は、相互に協力し、市政を効率的に運営しなければならない。

4 市長等は、新たな課題、市民等の意向及び地域の課題を市政に反映させるよう努めなければならない。

5 市長等は、市が保有する情報を積極的に公開し、情報共有に努めなければならない。

6 市長等は、市民等の参画の環境づくり及び参画の機会の拡大に努め、その成果を尊重しなければならない。

7 市長等は、職員を適切に指揮監督して市政運営を行うとともに、職員の能力向上に努めなければならない。

(職員の責務)

第14条 職員は、全体の奉仕者として、法令等を遵守し、誠実、公正かつ効率的に職務を遂行しなければならない。

2 職員は、新たな行政課題等に対応できるよう常に改革の意識を持ち、職務遂行に必要な知識、技能等の向上に努めるとともに、創意工夫し、自治の充実に努めなければならない。

3 職員は、自らも地域の一員であることを認識し、市民等との信頼関係づくりに努めなければならない。

第5章 参画と協働

第1節 参画

(参画の保障)

第15条 市民等は、市の計画の策定、実施及び評価の各段階に参画することができる。

2 市は、市民等の市政への参画の機会が保障されるよう多様な参画手法を用いるものとする。

3 市は、市民等が参画しないことにより、不利益を受けないようにしなければならない。

(参画の手法)

第16条 市は、前条の規定による参画の機会を保障するため、次に掲げる方法のうち事業に応じ必要なものを用いるものとする。

(1) 附属機関等への委員公募

(2) 市民意見提出制度

(3) 公聴会の開催

(4) ワークショップ等の実施

(5) 市民意向調査の実施

(6) 前5号に掲げるもののほか、市が必要と認めるもの

2 前項各号に掲げる方法の実施について必要な事項は、別に定める。

(市民投票)

第17条 市長は、市政の重要事項について、広く市民の総意を把握するため、議会の議決を経て、当該議決による条例で定めるところにより、市民投票を実施することができる。

2 前項の条例において、投票に付すべき事項、投票の期日、投票の方法及び成立要件その他市民投票の実施に関し必要な事項について定めるものとする。

3 市長は、市民投票で得た結果を尊重しなければならない。

(市民投票の請求及び発議)

第18条 議会の議員及び市長の選挙権を有する者は、市政の重要事項について、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から市長に対して市民投票を請求することができる。

2 議会の議員は、市政の重要事項について、議員の定数の12分の1以上の者の賛成を得て市民投票を発議することができる。

3 市長は、市政の重要事項について、自ら市民投票を発議することができる。

4 第1項の規定による市民投票の請求の処置等に関しては、地方自治法(昭和22年法律第67号)第74条第2項から第9項まで、第74条の2第1項から第6項まで及び第74条の3第1項から第3項までの規定の例によるものとする。

(市民活動団体)

第19条 市民等は、地域の活動及び地域の課題の解決に取り組む団体又は他の市民等と共通する目的の実現に取り組む団体(以下「市民活動団体」という。)を自主的に組織することができる。

2 市民等は、市民活動団体の役割を認識し、その活動を推進するとともに、地域の課題を自らも解決するよう努めるものとする。

3 市民等は、市民活動団体が市民自治によるまちづくりの担い手であることを認識し、互いに協力し、少数の意見及び行動も尊重しながら、積極的に活動に参加するよう努めなければならない。

4 市は、市民活動団体の自主性及び役割を尊重するものとする。

5 市長等は、市民活動団体の活動を推進するため、市民活動団体から相談、要望等があったときは、市が保有する情報を提供し、平等かつ迅速に必要な措置を講じなければならない。

第2節 協働

(協働のまちづくり)

第20条 市は、協働のまちづくりを推進するため、市民等、議会及び市長等が相互に情報を共有し、意見を交換し、積極的な参加及び意思形成が図られるよう多様で開かれた場と機会の創設に努めなければならない。

2 市長等は、市民等との円滑な連携を図るため、市民活動への支援を行うものとする。

第6章 情報共有

(説明責任)

第21条 市は、市政に関する重要事項の立案、実施及び評価の過程において、その内容等を市民等に情報提供するとともに、分かりやすく説明しなければならない。

2 市民等は、自らが行う公共的な活動において、その活動内容等を説明するよう努めるものとする。

(個人情報保護)

第22条 市は、別に条例で定めるところにより、市の保有する個人情報を保護しなければならない。

(情報の収集等)

第23条 市は、市民ニーズを的確にとらえるため、市政に関する必要な情報を収集し、有効に活用しなければならない。

(情報の共有)

第24条 市は、参画と協働のまちづくりを推進するため、その保有する情報のうち、この目的を達成するために必要な情報を適切な時期に、適切な方法で、積極的に分かりやすく市民等に公開及び提供するなど、情報の共有を図らなければならない。

第7章 市政運営の原則

(総合計画)

第25条 市長は、総合的かつ計画的な市政運営を行うため、市の最上位の計画として、総合計画を策定する。

2 市長は、前項の総合計画における基本構想を策定するに当たっては、議会の議決を経なければならない。

3 市長は、基本構想の実現のため、基本計画及び実施計画を策定する。

4 基本構想及び基本計画に基づき策定する個別計画は、基本構想及び基本計画との整合が図られるようにしなければならない。

5 市長は、社会情勢等が大きく変化し、総合計画の内容との間にかい離が生じた場合には、これを見直すものとする。

6 市長は、第2項の基本構想の策定に当たっては、市民等の意見が反映されるよう市民等の参画を得て策定しなければならない。

(行政評価)

第26条 市長等は、効果的かつ効率的に行政運営を行うため、事業等の評価(以下「行政評価」という。)を実施しなければならない。

2 行政評価を実施するに当たっては、成果、達成状況等を評価及び検証し、改革の視点を持って事業等を見直し、予算編成、組織編成及び個別の事業に反映させるよう努めなければならない。

3 市長等は、第1項の評価を行う場合、市民等の参画の方法を用いるとともに、その評価結果を公表しなければならない。

(財政運営)

第27条 市長等は、財源の確保及び事業実施に当たっては、最少の経費で最大の効果を挙げるよう努め、健全な財政運営を行わなければならない。

2 市長は、社会情勢、総合計画及び行政評価等の結果を踏まえ、予算を編成しなければならない。

3 市長は、市の財政、財務等に関する資料を作成し、市の財政状況を的確かつ分かりやすく公表しなければならない。

(政策法務)

第28条 市長等は地域の実情に応じた質の高い行政運営を行うため、法令等の調査研究を重ね、自主的かつ適正な解釈を行うことにより、自主立法権を積極的かつ有効に活用し、政策の実現に努めなければならない。

(組織及び人材育成)

第29条 市の組織は、市民等に分かりやすく、効率的かつ機能的なものであるとともに、社会情勢の変化及び行政運営上の課題に的確に対応するよう編成しなければならない。

2 市長等は、職員の能力と意欲を高めるため、職員研修及び人事評価を行わなければならない。

(法令遵守及び公益通報)

第30条 市長等及び職員は、法令を誠実に遵守しなければならない。

2 職員は、公正な職務の執行を妨げるような違法又は不当な事実があると知ったときは、通報するものとする。

3 市は、前項の規定による通報を行った者に対し、それを理由として不利益な取扱いをしてはならない。

(要望及び苦情)

第31条 市長等は、市政に関する市民の要望、苦情等に誠実、迅速かつ的確に対応するとともに、その内容を施策又は事業の改善に反映するよう努めなければならない。

(行政手続)

第32条 市長等は、市民の権利利益を保護するため、処分、行政指導及び届出に関する手続を別に条例で定めるところにより、行政運営における透明かつ公正な行政手続を確保しなければならない。

(危機管理)

第33条 市は、市民等の身体、生命及び財産の安全を確保するため、緊急時に、総合的かつ機能的な活動が図られるよう危機管理体制の確立に努めなければならない。

2 市は、市民等、関係機関並びに国及び他の地方公共団体と相互に連携し、及び協力しながら市民等の安全と安心に取り組まなければならない。

第8章 他団体等との連携

(他団体及び関係機関との連携)

第34条 市は、共通課題及び広域的な課題を解決するため、他の市区町村及び関係機関と情報交換を行いつつ、連携し、及び協力するよう努めるものとする。

2 市は、国及び兵庫県と対等な立場で連携し、及び協力するとともに、国及び兵庫県の制度等の改善に関する提案を行うよう努めるものとする。

第9章 条例の見直し

(条例の見直し)

第35条 市は、地方自治の推進に向けた取組みを通して、この条例の不断の検証及び見直しを行い、将来にわたりこの条例を発展させるものとする。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成24年10月1日から施行する。

(相生市市民参加条例の廃止)

2 相生市市民参加条例(平成16年条例第12号)は、廃止する。

(経過措置)

3 この条例の施行の際現に前項の規定による廃止前の相生市市民参加条例の規定により行われている手続については、なお従前の例による。

相生市自治基本条例

平成24年6月28日 条例第19号

(平成24年10月1日施行)

体系情報
第4類 職制、服務及び戸籍/第1章
沿革情報
平成24年6月28日 条例第19号